【2016年 年収公開】年収664万「税金と社会保険料」が占める割合は22.7%。欧米比較で読み解く日本のファクト

給与公開

今回は、少し時計の針を戻して、私が定年を迎える約10年前、2016年(当時50代前半)の1年間の給与と賞与をすべて公開します。

これまでのキャリアで5回の転職を経験している私ですが、この当時は現在の会社とは別の会社で「シニアマネージャー」として働いていました。

昨今、テレビやネットを開けば「税金が高すぎる」「年金はどうせもらえないから払い損」といった、不安を煽るネガティブな情報ばかりが溢れています。しかし、この記事を通して私が一番伝えたい結論を最初に申し上げます。

世間の無責任なネガティブ情報に惑わされてはいけません。社会人としての義務である税金や年金は、冷静に払い続けるべきです。

本記事では、私が残業代ゼロの管理職として働いていた2016年のリアルな「総支給664万円」のデータと、現在の定年後再雇用のデータを客観的に比較します。さらに欧米諸国とのデータ比較も交えながら、日本の「公的負担率」が実は極めて標準的であるというファクト(事実)を紐解いていきます。

同世代の皆様はもちろん、将来の年金や税金に漠然とした不安を抱えている若い世代の皆様にも、「客観的なデータを見れば、恐れたり嘆いたりする必要はない」というリアルな真実をお伝えできればと思います。

シニアマネージャーの給与構造「固定給と賞与の比重」

まずは、2016年の1月〜12月までの実質総支給額(通勤手当を除く)の推移をご覧ください。

シニアマネージャーという「管理職」だったため、残業代は一切つきません。毎月の給与は基本給と役職手当のみで、ほぼ一定の「約44万円」で推移しています。

▼ 2016年 月別総支給額の推移(タップで詳細表示)

グラフを見ると一目瞭然ですね。毎月の給与は地を這うように一定ですが、6月と12月のボーナス月だけがタワーのようにそびえ立っています。 年間賞与は約133万円。「このボーナスのために、重い責任に耐えて1年間頑張っているんだ…」という、管理職特有の資金繰りと精神状態がよく表れています。

年収664万円の行方:「公的負担率」の真実

2016年の実質的な年間総支給額は6,643,950円でした。 では、この約664万円のうち、どれだけのお金が「税金」と「社会保険料」として引かれていったのでしょうか。

客観的なデータに基づく数字は以下の通りです。

▼ 2016年 年収の行方(公的負担率)

  • 社会保険料合計:1,010,484円(15.2%)
  • 税金合計:499,770円(7.5%)
  • 公的負担合計:1,510,254円(22.7%)

集計した結果、2016年は、年間で約151万円(22.7%)の金額を公的負担として納めていたことになります。 特に「厚生年金保険料(年間約62.5万円)」と「住民税(年間約33.3万円)」の負担が重く、グラフで見ると赤い部分(国に持っていかれる分)の大きさが目立ちますね。

10年の時を超える比較「2016年 現役時代 vs 2026年 再雇用」

50代の「管理職時代」と、60代の「定年後再雇用(現在)」を比較してみます。働き方も収入源も全く違う2つの時代ですが、並べてみると、ある興味深い事実に気づきます。

🏢 2016年 (50代前半)

シニアマネージャー

  • 残業代:一切なし(ゼロ)
  • 収入源:固定給+役職手当
  • ボーナス:あり(年2回・約133万円)
  • 働き方:重い責任とプレッシャー
公的負担率
22.7%

💻 現在 (60代・再雇用)

一般社員・テレワーク

  • 残業代:フル支給(月30h超)
  • 収入源:基本給+残業代が頼みの綱
  • ボーナス:あり
  • 働き方:メンタルを守りつつマイペースに
公的負担率
約22.0%

いかがでしょうか。 「残業代ゼロで重責を背負っていた50代」も、「テレワークを駆使しながら残業代を稼いでいる60代再雇用」も、総支給額に対する税金・社会保険料の負担割合は『約22%』でほとんど変わらないのです。

収入の中身や働き方は激変しているのに、日本の会社員である以上、「稼いだ額の2割強は持っていかれる」という法則からは逃れられないというシビアな現実ですね。

【考察】私の負担率「22.7%」は世界基準で高いのか?欧米諸国との比較

「総支給の約2割強が引かれている」という事実だけを見ると、昨今のメディアのネガティブな論調も相まって、「日本の負担は高すぎる」と感じる方もいるかもしれません。

しかし、感情論ではなく客観的な世界基準で比較してみると、全く違った事実が見えてきます。

OECD(経済協力開発機構)のデータをもとに、「給与に対する個人の直接負担割合(所得税+従業員負担分の社会保険料)」を、欧米の主要国と日本(および私の2016年実データ)で比較してみました。

▼ 主要国の個人給与からの公的負担率(対・総支給額)

※参考:OECD「Taxing Wages」平均的賃金労働者(単身・子なし)のデータ(税金+個人社会保険料の対総支給額比率)より概算。

グラフの通り、福祉国家として知られるドイツやフランス、ベルギーなどのヨーロッパ諸国では、個人の給与から26%〜30%近くが直接控除されています。民間保険が中心のアメリカでさえ約23%です。

私の2016年の実データである「22.7%」は、日本の平均的な数値とほぼ一致しており、かつ欧米諸国と比較しても決して「極端に高い」わけではないということが論理的に証明できます。

社会保険料や税金は、日本の国民皆保険制度やインフラ、セーフティネットを維持するための社会人としての当然の義務です。自身の給与明細をただ「引かれすぎだ」と嘆くのではなく、こうして世界水準のデータと照らし合わせることで、私たちが享受している社会制度のバランスを冷静に評価することができるのではないでしょうか。

【まとめ】客観的なデータで現在地を知り、世代を超えて冷静に義務を果たし続けよう

今回は、10年前の2016年、50代前半でシニアマネージャーとして働いていた頃の給与データを丸裸にし、ありのままの数値を分析してみました。

世間ではマスコミのネガティブな報道の影響もあり、「税金が高すぎる」「社会保険料が上がり続けて手取りが減る」といった嘆きや不安の声が絶えません。しかし、自分自身のデータと向き合い、欧米諸国と比較してみることで、世間のイメージとは異なる客観的な事実が見えてきました。

客観的なデータが示す、変わらぬ「公的負担率」の真実

データが示す通り、2016年の「公的負担率」は22.7%でした。この数字は、日本の平均的な水準と一致しており、欧米諸国と比較しても決して「法外に高い」わけではありません。

そして何より興味深いのは、10年前の現役時代も、現在の再雇用時代も、給与から直接引かれる「公的負担率」は概ね『22%台』のまま、ほとんど変わっていないという事実です。消費税の増税などはありますが、マスコミが騒ぎ立てるほど、給与天引きの割合が劇的に悪化しているわけではないのです。

30年前の歴史が証明する「マスコミの煽り」の無責任さ

実は、私が20代だった30年以上前にも、マスコミを中心に「将来、年金制度は崩壊する」「いま払ってもどうせ貰えなくなる」というネガティブな大合唱が起きていました。

当時、その煽り報道を真に受けてしまい、「どうせ貰えないなら払うだけ無駄だ」と年金を未納にし続けた個人事業主やフリーランスの知人たちを、私は数名知っています。いざ老後が現実味を帯びてきた現在になって、彼らは「あの時、マスコミの言うことなど聞かずに、しっかり払っておけばよかった」と、深く後悔しています。

メディアは不安を煽ることで注目を集めますが、将来の責任を取ってはくれません。義務を果たさなかった結果、最終的に困窮するのは自分自身なのです。

同世代へ、そして未来を担う若い世代の皆様へ

同世代の方には、世間のネガティブな雰囲気に流されず、ご自身の社会人としての軌跡を客観的な数字ベースで振り返る参考にしていただければ幸いです。

そして、これからを生きる若い世代の方へ。 日々「年金はもらえない」「税金で搾取される」というニュースを目にして、不安になる気持ちはよく分かります。しかし、30年前も世間は全く同じことを言っていました。ノイズに惑わされないでください。

税金や社会保険料は、日本の社会基盤を維持するための義務であり、同時に「未来の自分を守るための最強の防衛費(投資)」です。

感情論に振り回されず、客観的な事実を知ること。そして、その事実に基づき、社会人としての義務を冷静に、淡々と果たし続けること。これこそが、これからの時代を心穏やかに生き抜くための最善の道だと私は確信しています。

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